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2009年4月

8.婦人・女性防火クラブ活動について

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兵庫県 明石市婦人防火クラブ連絡協議会

 明石市婦人防火クラブ連絡協議会では、平成7年に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに「救える命は自分たちで救う」を合言葉に、「市民救命士」(救急講習)の修得にも力を入れるようになりました。
本年は、日本防火協会が主催する平成20年度「婦人防火クラブ救急講習会」に当連絡協議会が全国20団体に選出される光栄に恵まれ、「市民救命士」(救急講習会)の講習会をより多く開催することができました。
おかげさまで、講習会は延べ6回、164名の「市民救命士」を養成することができました。
講習会を受講して、クラブ員の間から①命の大切さを再度認識することができました。②クラブ員同士の連携が深まりました。③いざという時に、自分も人を助ける自信が少しは持てました等という声が聞こえてきました。
今回の講習会を受講したことを糧に、今後30年以内に発生する確率が60%以上といわれています「南海・東南海地震」が発生しましたら、明石市婦人防火クラブ連絡協議会は、訓練、研修で修得した知識、技術を活かし、少しでも市民のみなさまの力になれるよう頑張っていきたいと思います。


心臓マッサージ(胸骨圧迫)の訓練

手順に倣って呼吸の確認
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石川県女性防火クラブ連絡協議会

 平成20年11月1日(土)、石川県地場産業振興センターにおいて、県内の女性防火クラブ員約800名の参加のもと、「石川県女性防火クラブ連絡協議会結成25年記念大会」を開催しました。

県知事表彰を受ける久藤会長
 記念大会では、永年、石川県女性防火クラブ連絡協議会会長として、協議会の発展に貢献した久藤会長に対して、石川県知事表彰を行いました。さらに、活動内容が優秀な女性防火クラブ15団
体に対して、協議会会長表彰を行いました。
 また、阪神・淡路大震災の被災体験を語り継ぐ「市民の架け橋、神戸から全国へ」のスタッフである皆元 初香さんに、阪神・淡路大震災の経験をもとにボランティア活動や、住まいの耐震化の重要性など、様々な角度から被災体験を講演していただきました。

能登半島地震の体験を発表する
女性防火クラブ員
 また、平成19年3月25日の能登半島地震を、身をもって体験した地元女性防火クラブ2名の方に、地震の恐ろしさや女性防火クラブ員として災害時に何ができるかなどを体験発表していただきました。
 この他、場内で住宅用火災警報器の設置促進のPRを行い、大きな関心を集めていました。
 この記念大会を通じて、女性防火クラブ員の防火・防災意識を強化するとともに、各クラブ間の連携を更に強めることができました。


大会に参加した女性防火クラブ員

結成25周年を記念して作成したバッヂ
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大阪府 豊中女性防火クラブ連絡協議会


救急隊員の指導を受けて
訓練する婦人防火クラブ員
 大阪府北部に位置する豊中市では、財団法人日本防火協会の助成事業として豊中女性防火クラブ連絡協議会員を対象に、10月5日・23日・11月15日・25日の4回にわたり普通救命講習会を開催し、女性防火クラブ員77名が受講しました。
 AEDについては、一般の人にも使用が認められるようになり、空港や駅舎、また学校などの公共施設等にAEDが設置され、街中で目にする機会が多くなってきました。市民のAEDに対する関心もますます高まり、普通救命講習会の受講者も年々増えてきています。
 今回の女性防火クラブ員を対象とした講習では、「我が家の救急救命士」という合言葉のもと、消防職員の指導に全員が真剣な眼差しで受講し、その姿勢に指導する消防職員も熱のこもったものとなりました。

心肺蘇生法の訓練
 講習会後の感想として、「AEDという言葉を聞いたことはあったが、使い方は知りませんでした。いざというときには勇気を持って行動したい」といった頼もしい意見や「AEDを使用するだけでいいのかなと思っていましたが、その前後の心肺蘇生法も重要だなんて知りませんでした」などの驚きの声も聞かれました。
 また、心肺蘇生法や止血法をマスターできるまで参加したいと回答した人は90%以上、上級救命講習会の参加に興味があると回答した人は85%以上にものぼりました。この講習会を通して、救命や応急手当に関心を持つだけでなく、さらなる技術向上の意識が芽生えたことで、この講習会の目的は達成できたと思います。

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新潟県 長岡市栃尾幼少年婦人防火委員会


座学講習
 新潟県のほぼ中央に位置する長岡市消防本部では、(財)日本防火協会との共催行事として、6月29日(日)、11月2日(日)、12月7日(日)の3日間、3会場で延べ104名の婦人防火クラブ員が救命講習を受講しました。受講者は救急救命士の指導のもと、救命処置の重要性を認識し、最初は緊張していたクラブ員も実技になると声も大きくなり、時おり笑い声も聞こえ短い時間の中、心肺蘇生人体モデルを使った人工呼吸及び心臓マッサージ並びにAEDの取扱い訓練を全員がとても真剣に取り組んでいました。

心肺蘇生法実技
 終了後のアンケートの結果では、「講習会を受けてよかった」「繰り返し講習会を実施して欲しい」「上級救命講習に参加したい」という声を大勢の方からいただきました。
 また、講習時間を延長して住宅用火災警報器の必要性について説明会が行われ、「まずはクラブ員の家庭から早期設置しましょう」と呼びかけを行いました。
AEDの取扱い訓練


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兵庫県 加東市消防本部

 平成21年度加東市婦人防火の集いが、平成21年1月17日(土)加東市岡本の東条福祉センターの多目的ホールにて開催され、婦人防火クラブ員ら約230名が参加しました。
 この研修会は、婦人防火クラブの組織の拡充強化及び住宅用火災警報器の早期普及を図ることを目的として実施しました。
 研修会では、当地域においても、住民の生活様式の多様化、少子高齢化社会の進展、さらには核家族化や単身世帯の増加による世帯構成の変化等様々な要因によって、かつての地縁、血縁によって構成されていた親密な人間関係が崩壊しつつあることから地域社会とのつながり、近隣住民との結びつきが希薄になりつつあります。
 そこで、コミュニティ維持・復活に着目して、大阪府交野市南星台区区長 中村正三氏に『俺らがまち 南星台』と題して講演をいただきました。
 中村正三氏は、1980年にホタル保存会を発足するなど、ホタルの養殖に取り組まれ、1996年に自然環境を改善、養殖から自然育成へと方向転換し、2004年に南星台区ホタルの里まちづくり委員会を発足し、自然と共生していけるまちづくり、住んでよかったと言える優しい(地域福祉)まちづくりを目標に地域づくりの活動をされ、地域福祉の取り組みとしては、セーフティネットワークの構築、独居老人の把握、そして災害時の対策にも取り組まれている交野市の地域づくりの取り組みを紹介いただきました。
 また、住宅用火災警報器の普及を中心とした住宅防火対策について、当市消防本部予防課職員による説明会も合わせて実施し、参加の婦人防火クラブ員は住宅用火災警報器設置の必要性と効果を認識し、クラブ員として必要な知識を習得し、住宅用火災警報器の設置推進に重点を置き、各地区における住民への普及啓発活動に期待でき、大変有意義でありました。
 研修会を通じて、自主防災組織の中核をなす婦人防火クラブ等の民間防火組織の拡充強化及びその資質向上を図ることを目的に開催した本研修会は、その成果を充分に達成できました。


署員から住警器の普及について説明

防火安全協会長祝辞
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青森県 十和田市地域広域事務組合消防本部


優良婦人防火クラブの表彰
 平成21年2月6日(金)に「十和田地区婦人防火クラブリーダー研修会」を開催しました。同研修会は昭和57年から毎年開催しており、今回で27回目となる研修会です。
 研修会に先立ち、優良幼年消防クラブ、優良婦人防火クラブ及び優良クラブ指導者の表彰を行い、その後、管内の婦人防火クラブに対して住宅用火災警報器の交付が行われました。
 今回の研修会は、婦人防火クラブ員212名、消防関係者14名を含む総勢253名の参加者の中で、十和田地区婦人防火クラブ連絡協議会の工藤会長の「旅先で注意すべき点は、家庭の防火に役立つ。研修で得たことを家族で話し合い、安全な生活を送りましょう」との挨拶によって開始されました。

工藤会長の挨拶
 講演では、「旅先での安全・安心のために」と題し旅行代理店の所長を講師に招き、公共交通機関等を利用している時、台風等の自然災害に遭遇した場合の対応方法に一同真剣に聞き入り、ユーモアたっぷりのエピソードに、笑いもあり楽しい講演となりました。
 また、平成20年6月から既存住宅にも設置が義務となった住宅用火災警報器について「住宅用火災警報器 設置そのあとに」と題した設置後の注意事項について、消防本部の担当者から講習を受け、自分たちが取り付けた住宅用火災警報器の維持管理方法を学び有意義な研修を終えることが出来ました。

参加の婦人防火クラブ員等で
満員になった研修会場
 講習終了後の懇談では、婦人防火クラブのリーダー達が住宅用火災警報器を取り付けた感想を述べ、それぞれの地域の住民に「まだ取り付けていない方は、安全のために速やかに取り付けましょう」また「娘の嫁入り道具の一つとして持参させましょう」と呼びかけようと話し合いました。


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千葉県婦人防火クラブ連絡協議会
会長 竹内 久子

 去る2月17日に千葉県消防学校講堂に県下各地から防火クラブ員を始め、消防防災関係者多数のご参集を頂き、平成20年度千葉県婦人防火研修会が開催されました。
 主催は、千葉県少年婦人防火委員会(石井利孝会長)と千葉県婦人防火クラブ連絡協議会(竹内久子会長)、共催として財団法人日本防火協会(片山虎之助会長)にご協力を頂きました。
 主催者挨拶に続き、片山虎之助会長からの祝電が披露され、「皆様方の熱意溢れる活動に心から敬意を表します。この行事の開催を契機として地域住民の防火意識が更に高揚し、安心安全な住みよいまちづくりに貢献されることを期待いたしますとともに、皆様のご健康ご多幸をお祈りいたします」という力強い励ましのお言葉を頂き、研修は始まりました。
 午前中は私から「住宅用火災警報器と防炎製品について」と題して講義をいたし、引き続き参加者全員に災害発生時に役立つ「紙コップの作成」を体験して頂きました。

紙コップの作り方を説明する竹内会長
 午後からは、富士常葉大学環境防災学部教授の重川希志依先生を講師としてお招きし、「防災とコミュニティ」と題してご講演を頂ました。
 住宅用火災警報器の設置につきましては、一昨年、昨年とこのところ毎回取り上げております。千葉県では、平成20年6月1日からその設置が義務化されましたが、設置率を見ますと35%と依然として低い状況にあります。
 このため消防局・消防本部・消防署のご指導と婦人防火クラブ、自治会、関係団体等が連携を密にすることにより、共同購入に取り組まれるよう、この普及促進について参加者の皆様に強く呼びかけました。

住警器パネルを展示し
設置を呼びかけ!
 また、新年早々、富山県南砺市、千葉県松戸市、東京都世田谷区などで発生した住宅火災による痛ましい事例を取り上げました。いずれの火災においても、住宅用火災警報器が設置されていたならば、避難できたのではないかと思うと悔いが残ります。世田谷区ではこの火災を教訓として活かし、65歳以上の高齢者宅には無料で住宅用火災警報器を配布することになりました。
 ちなみに、千葉市幸町のあるマンションの管理組合では、全世帯に煙式と熱式の住宅用火災警報器をセットで配布し、100%の普及を達成したと聞いております。
 昨年6月、私は「住宅用火災警報器の設置」についての政府広報番組(内閣府と総務省消防庁提供)の取材を受け、全国放映されましたが、改めてこのDVDを皆様にご覧頂きました。
 つぎに「防炎製品について」では、一昨年は「防炎品と非防炎品」パジャマと割烹着の燃焼比較実験を行いました。昨年は「防炎製品の展示とリーフレットの配布」、今年は「展示と着衣着火」の事例等をお話しました。住宅火災による被害を最小限にするために住宅用火災警報器のみならず防炎製品がいかに大切であるかについて強調しました。

重川先生の講演
 午後からは、防災分野についての造詣が深い重川希志依先生にご講演を頂ました。重川先生は防災教育・環境・都市防災・災害弱者対策・市民防災力の向上等々、防災問題についての研究者として広く知られております。先生は幾度となく災害被災地を歩いて、ご自分の目で状況を把握、分析し、そこでの問題点を抽出し数々の対策を提言されております。
 今回は、新聞やテレビ等では流されなかった被災者の生の声を中心に現地取材で得られた課題などについてお話頂きました。特に平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震の被災地での貴重な体験について説明下さいました。
 「災害発生時における市町村職員や消防団員の皆様の使命感に燃え活動する姿には、目を見張るものがあります。一方、家族と防災との板ばさみになって、家庭は二の次になり、そのことが自らを責め続けているが、家族の皆さんの深いご理解が必要です。」と指摘されます。
 また、「被災した高校生が震災体験をどのように捉えているか。」という課題について、講師から小千谷市内の高校生が震災から1年後に綴った作文の一部が紹介されました。「全国から届いた支援物資の仕分け、配布運搬を手伝ったが、真剣に心配してくれる人がいることを知った。ボランティアする側とされる側がしっかりと繋がりあえれば、お金に代えられない何かを手に入れることができると、ボランティア活動を通して考えた。」この文章は特に印象に残りました。
 このほか「近い将来、大多数の人たちが大きな地震に遭うと思う。それは仕方のないことだから、起きた後、被災者と助け合うことが重要だと思う。被害にあった当人も助ける側であるということだ。」「被災を経験して思ったことは、他の地域から来てくれるボランティアや自衛隊だけでは人手が足りない。だから被害に遭った人たちも、積極的に救援活動に参加した。そのお蔭で食べ物や水などの配給がスムーズに進んだと思う。」また、「買物の途中、妊娠していた先生の身を案じ、咄嗟の判断で倒れてきた棚を支えた。怖いと思う気持ちよりも先生を助けなければという気持ちの方が強かった。」この他にもたくさんの作文をかいてくれました。
 被災地にこのような学生、生徒達の姿を見て、大変頼もしく感じました。
 重川先生は『中学生・高校生・大学生など若い力を防災に!』と主張され、また災害から身を守るためには、次の3つのハードルを乗り越えることが肝要であるとされ、
第1のハードル 「いのちを守るために」
第2のハードル 「生活を守るために」
第3のハードル 「暮らしの再建のために」
を挙げられました。すべての人が自らの責任で自分の命を守る。自分の近辺にいる大切な人の命を守る。自分のことをわが事として心配してくれる人の存在。つまり、頼りになるのは『地域コミュニティ』ではないでしょうか!と熱く語られ、受講者からの万雷の拍手をもって研修会を無事終えることができました。
 これもひとえに研修会開催にあたり、ご協力頂きました財団法人日本防火協会を始め、千葉県消防学校、県消防協会そして多くの参加者の皆様のお蔭と心より感謝致します。


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