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2012年6月

1.津波による災害の防止

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地震が発生した時は「すばやく逃げる」

総務省消防庁 防災課

 四方を海に囲まれた我が国は、地震を原因とする津波被害を受けやすく、そのたびに多くの尊い人命が失われてきました。昨年3月に発生した東日本大震災では、三陸沖を震源とする海溝型地震とそれに伴う巨大な津波により、東北地方から関東地方の太平洋沿岸を中心に各地で甚大な被害が生じ、死者・行方不明者は2万人近くにものぼっています。
 では、津波による被害を防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか。答えは「すばやく高台に逃げる」ことです。

津波による災害の防止

地震が発生した時は「すばやく逃げる」ことです。
→「自分の命は自分で守る!」といった津波防災意識を高くもち、住民一人ひとりが行動することが大切です。

※地震発生後、短時間で津波が沿岸部に
来襲する可能性があります。

「揺れたら逃げる」
「揺れたら逃げる」

「警報を聞いたら逃げる」
「警報を聞いたら逃げる」

 そこで、地方公共団体においては、津波避難対象地域、避難地、避難路をあらかじめ指定し、住民に周知・徹底するとともに、津波発災時の迅速かつ正確な情報の収集・伝達、避難勧告等の迅速な発令等の対応が求められます。消防庁では、昨年度「地域防災計画における地震・津波対策の充実・強化に関する検討会」を開催し、東日本大震災に係る主な被災3県の沿岸市町村への聞き取り調査等を行い、地方公共団体における地域防災計画の見直しに際しての参考事例等を取りまとめました。今後は各地方公共団体において津波対策の充実・強化に向けた、地域防災計画の見直しや防災・減災対策が推進されることとなります。
 しかし、このような行政側の対策だけでは津波被害を防ぐことはできません。大切なのは、住民一人ひとりが津波に対する防災意識を高くもち、地震が発生したら「すばやく高台に逃げる」ことです。
 そのために、いざというときに備えて、地域単位で津波避難計画を策定しておくことが重要です。消防庁では今年度「津波避難対策推進に関する検討会(仮称)」を開催し、各地域における津波避難計画の策定に向けた取組を一層促進することとしています。
 計画策定の進め方としては、都道府県レベルで、広域的かつ統一的な考え方に基づいた津波被害予測(浸水予測図の作成)等を実施し、市町村レベルで、住民に対する津波浸水予想地域等の必要な情報・知識等の提供や支援を実施します。そして、これらの支援を基に地域住民が具体的な避難目標地点や避難経路の検討を行う等の役割を果たすことが求められます。津波避難計画の策定には、地域住民自身が計画策定に積極的に参画することが大きなポイントとなります。さらに策定した計画に基づき、訓練等を繰り返し、検証を通じて、不断に見直していくことで、より実効性の高い計画が得られるとともに、避難に対する意識の向上が図られていきます。
 実際に避難行動をとる住民一人ひとりが、「自分の命は自分で守る!」といった自覚を持ち、津波避難計画に基づく日頃の訓練を通じて防災意識の向上を図り、大きな揺れや、小さくとも長くゆっくりとした揺れを感じたら、すぐに安全な場所へ逃げるという行動をとることが重要なのです。

(総務省消防庁「消防の動き 2012年5月号より)

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