秋本会長による挨拶 平成25年7月1日(月)・2日(火)の2日間にわたり、「第16回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会」がルポール麹町にて開催され、全国から約90名が参加しました。
この研修会は、団体相互の交流と活動内容等の情報交換を県レベルから市町村レベルにまで深く掘り下げ、災害等の有事に際し地域間組織の一層の充実・強化・連携を図り、連絡応援体制の構築を目的に行われています。
1日目
(一財)日本防火・防災協会 秋本敏文会長より、「今年度より当協会は“日本防火・防災協会”と名称を変更しました。日頃婦人防火クラブの皆様の活動は防火だけでなく、防災にも尽力されていると思います。皆様を応援する意味でも私どもは名称を変更した次第でございます。この日本列島は、地震だけでなく風水害が毎年起きています。今回の研修会では、東日本大震災の被災地の方もいらしています。災害にあったときにどうすればいいのか、この研修で学んでいただき、地元の対策に役立てていただければと思います。」との開会の挨拶がありました。
伊藤氏による「知って備える大地震」『伊藤 和明氏による講演 「知って備える大地震」』
次に、NPO法人・防災情報機構会長(元NHK解説委員) 伊藤 和明氏から「知って備える大地震」と題し、講演を行っていただきました。
日本列島のプレートと地震の震源分布、地震が起きるメカニズムについて、また東日本大震災で起きた津波や火災の状況、南海・東海地震防災対策強化が必要な地域や液状化し易い地域の特徴、過去の地震による建物被害の状況等についてご講演をいただきました。
市橋次長による講演『消防庁による講演 「消防行政と婦人(女性)防火クラブへの期待」』
市橋消防庁次長より東日本大震災の被害状況や消防の活動状況、過去の震災や風水害等の災害に対する緊急消防援助隊の対応について、また、住宅用火災警報器設置率と火災による死者の状況では、設置率が高い都道府県では、比較的死者数が少ないなど、火災や災害に備えて、日頃から出来ることなどについてご講演いただきました。
続いて、体験発表では婦人(女性)防火クラブ会長による3名の発表が行われました。
クラブ名 | 発表者 | 発表内容 |
---|---|---|
宮城県 気仙沼本吉地区婦人防火クラブ連合会 | 及川 秀子会長 | 「東日本大震災を乗り越えて 三つの命を大切に」 東日本大震災で起きた津波の様子や、自身の工場を開放して避難所生活を送った様子などについて。 |
愛知県 豊川市女性防火クラブ | 平野 美千代副会長 | 「東海地震対策に対する取り組み状況」 消防出初式、福祉施設の防火訪問、消防署が主催する救命講習を受講の様子など、婦人防火クラブ員による火災予防運動の様子について。 |
徳島県 鳴門市明神婦人防火クラブ | 瀬戸 俊子会長 | 「婦人防火クラブ活動報告」 自主防災会とともに、避難経路、避難場所、危険箇所の確認・整備活動。婦人防火クラブ員による住宅用警報器設置PR活動について。 |
及川会長
平野副会長
瀬戸会長
原尻氏による講演「防災行政(現状と課題」【総務省消防庁 国民保護・防災部防災課による講演「防災行政(現状と課題)」】
1日目の最後は、原尻 賢司課長補佐より、東日本大震災による地震、津波、浸水、火災被害、緊急消防援助隊の活動状況、東北地方太平洋沖地震を教訓とした調査や津波避難対策推進マニュアル検討会等の報告。近年多発している風水害対策等について、消防団や婦人防火クラブなどの地域総合防災力の充実に向けた取り組みについて、ご講演いただきました。
2日目
4グループに分かれて、以下の課題を踏まえたグループ討議を行いました。
- 大地震・大津波に対応する婦人防火クラブの災害予防活動及び支援活動について
- 他の防災組織や婦人防火クラブとの連携と協力について
- 婦人防火クラブ員の募集・確保・減少化対策について
- 婦人防火クラブの活動の活性化について
ワークショップ風景①
ワークショップ風景②
ワークショップ風景③
ワークショップ風景④
ワークショップの後、課題討議の結果発表が行われました。各グループとも様々な意見や活動状況・地域独自の取り組みが発表され、国→県→市区町村→クラブ員と縦の連携が整っていない事による婦防活動の苦労や、クラブ員の高齢化対策、婦防クラブ自体のPRの為に取組まれた活動などを発表していただきました。
大阪府 木村会長
沖縄県 西表会長
宮崎県 日高副会長
愛媛県 山本会長
(財)日本消防協会 佐藤信介年金共済部長より婦人福祉共済等の事業説明が行われた後、当協会吉田理事長による閉会の挨拶では、「いつどこで大きな地震が起きるか分からないこの国において、防火はもとより、防災対策の取り組みが必要になってまいりました。災害が多様化・大規模化しているなか、行政だけでは対応仕切れていません。こうしたなか、婦人防火クラブによる地域総合防災力の強化が今後一層必要になると考えております。昨年度で婦人防火クラブは結成50年を迎えました。この節目を機に、一層の発展を考えていきたいと思っております。」と述べました。
その後、吉田理事長より代表者へ修了証を授与し、2日間の研修会を終了しました。
吉田理事長から修了証授与
全国から約90名が参加