総務省消防庁 予防課
本格的に寒くなる季節を迎え、ストーブを使うご家庭も多くなってくると思います。
ストーブが原因となる建物火災は、令和元年中に1,108件発生しており、ストーブを使用する時期が限定されているにもかかわらず、出火原因の全体の中でもその割合は少なくありません。
また、令和元年中の住宅火災の発火源別死者数の内訳は下記のグラフとなっており、たばこに次いでストーブが2位となっています。ストーブの種別に着目してみますと、電気ストーブと石油ストーブ等はそれぞれほぼ半数を占めています。このようなことからも、電気ストーブを使用する場合にも十分に注意が必要です。ストーブからの火災を予防するために、次の内容に従って安全にストーブを使用しましょう。
●住宅火災の発火源別死者数(放火自殺者等を除く)
●ストーブ火災による死者数の内訳
1 適切な取扱い方法の確認
- (1) 取扱説明書をよく読んで、正しい方法で使用しましょう。
- (2) 石油ストーブに灯油を給油するときは、必ず火を消してから行いましょう。
- (3) カートリッジタンク式のものは、給油後、タンクのふたを確実に締めましょう。
- (4) 電気ストーブやファンヒーターを使わないときは電源プラグを抜きましょう。
- (5) 使用前に電気コードやガスホースなどに傷みが無いか確認しましょう。
- (6) 就寝時にストーブを使用するのは避けましょう。
2 点火及び消火時の確認
- (1)点火後は、正常に燃焼していることを確認しましょう。
- (2)外出等の際には、必ず完全に消火していることを確認しましょう。
- (3)異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、製造元や販売元に相談しましょう。
3 周囲の状況の確認
- (1) ストーブの近くにふとん・座ぶとんや衣類など燃えやすいものを置かないようにしましょう。
- (2)ストーブの周囲や上方に洗濯物を干さないようにしましょう。
- (3)ストーブがカーテンなどに接触しないように使用しましょう。
- (4)ストーブの近くでヘアスプレーなどのエアゾール缶の使用や放置はやめましょう。
4 点検・設備の実施
- (1)暖房シーズン前には、取扱説明書に従って点検を行い、必要に応じて、修理、又は取替えを販売店等に依頼しましょう。
- (2)暖房シーズン後には、取扱説明書に従って清掃・整備を行いましょう。
5 灯油などの燃料の保管
- (1)灯油用の容器は金属製のもの、又はポリエチレン製で「型式試験確認済証」又は「推奨マーク」が貼付されているものを使用し、必ず栓をしっかり締めて密閉しましょう。
- (2)灯油などの燃料は火気を使う場所から遠ざけ、直射日光を避けた冷暗所に保管しましょう。
- (3)地震時に容器が転倒したり、落下物によって容器が破損するような場所での保管はやめましょう。
(総務省消防庁「消防の動き」 2020年12月号抜粋)