三重県では、「平成20年度三重県自主防災組織リーダー研修」を三重県消防学校において、平成21年1月15日(木)~16日(金)の日程で開催しました。
この研修は、自主防災組織の指導的立場にある者等が、被災後の重要な課題である避難所運営について検討を行い、各地域において避難所運営にかかる取組みが進められるよう、自主防災組織リーダーの人材育成に資することを目的に、財団法人日本防火協会と三重県の共催で開催したもので、県内各地から71名が参加しました。
避難所の役割について説明する坪川研究員 1日目の午前中は、独立行政法人防災科学技術研究所坪川研究員から、平成19年7月に発生した新潟県中越沖地震の避難所の実態について、現地調査結果などを踏まえた説明をいただきました。また、県の地震被害想定から、地域ごとにどのような災害リスクがあるかについてグラフ等を用いて、具体的な問題点を認識し、「自分の住んでいる地域の特性によく気を配らなければなりません」とのアドバイスを受けました。
シナリオストーリー作成 午後からは、NPO愛知ネットとみえ防災コーディネーターをファシリテーターとして、7班に分かれ、避難所運営に関する課題に対して、課題解決のためのシナリオストーリーを作成しました。
参加者は、「要援護者への支援」等7つの課題に対して、自主防災組織リーダー、避難者、避難所施設管理者、行政職員などの役割を演じながら、対応策を検討しました。避難所施設管理者や行政職員といった役を演じることで、参加者からは「これまでと違った視点から物事を捉えることが出来た」という感想が聞かれました。
行動計画作成 また、2日目は、前日作成したシナリオストーリーにより明確になった課題の解決を目指し、具体的な事前対策としての行動計画を作成しました。熱心な議論が行われ、昼休みを返上して作業を実施する班もありました。その後、作成した行動計画を班ごとに発表し、発表することで認識の共有を行いました。
独立行政法人防災科学研究所長坂センター長補佐から、「是非今回の研修で学んだことを地域に持ち帰って活用してほしい」との講評をいただきました。
最後に、財団法人日本防火協会水村課長補佐から閉会の挨拶をいただくとともに修了証と記念品が手渡され、2日間の研修を終えました。
今後、研修に参加された方々には、この研修で学んだことを各地域の自主防災活動に活かしていただき、県全体の向上が図られることを期待しています。