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2010年10月

4.自主防災組織リーダー研修会開催〔佐賀〕

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佐賀県 統括本部 消防防災課

 防災に関する意識、知識、技能を身につけた地域防災のリーダーを養成し、地域防災力の質の向上を図り、地域の自主防災組織の設立や活動の活性化を促進するため、(財)日本防火協会と佐賀県との共催で「平成22年度佐賀県自主防災組織リーダー研修会」を開催しました。
【日程】平成22年8月21日(土)から22日(日)の2日間
【会場】佐賀県職員互助会館(佐賀市)
 当日の研修会には、うだるような夏の暑さが残る中、地域の自治会の方々や消防団など近隣地域から52名の方々が参加し、熱い議論が交わされました。
 会場となる佐賀市は、有明海沿岸の干拓地を利用した低平地に位置していることから、水害対策が喫緊の課題となっておりますが、今回は、「いつ何時起こるか分からない」地震をテーマに、受講生自らが参加する実習形式のカリキュラムを編成しました。


熱心に聞き入る受講者の皆さん
1日目】
「阪神・淡路大震災 ~その体験を語る~」

 午前中は、「阪神淡路大震災記念 人と防災未来センター」語り部 元芦屋市職員 谷川 三郎様から、「芦屋市震災記録」を記録した貴重な当時のビデオ上映、被災体験した惨状などを芦屋市の被害マップを交えながら、生の声として紹介されました。
 地震の体験が少ない佐賀県にとっては、全てが参考となるものばかりであり、自助・共助の必要性を強く痛感させられ、皆さん聞き入っていました


災害図上訓練中
「災害図上演習(DIG)」
 午後は、山口大学の瀧本 浩一准教授による災害図上訓練(DIG)を行いました。まず、地域防災に災害図上訓練DIGの位置付け、災害図上訓練DIGの思想、DIGを含めた防災研修を行う上での注意点などが説明された後、実習に入りました。
 実習では、より実態に即した内容とするため居住地域毎に12のグループに編成し、地域の地図を活用し、地震を想定したシミュレーションで地図への書き込み、模造紙へのまとめを行いました。
演習中は、先生のジョークを交えた巧みな話術に至る所で笑い声が出ていました。


クロスロード実習中
【2日目】
「クロスロード」

 午前中は、慶応義塾大学 商学部 吉川 肇子准教授による災害対応カードゲーム「クロスロード」市民編を活用したゲームを行いました。
 まずゲームに入る前に災害対応を自らの問題として考え、参加者の様々な意見や価値観を参加者同士で共有しあう、また、ゲームを通じ、それぞれの災害対応の場面で、誠実に考え対応するためには災害が起こる前からの備えが重要であることが説明されました。
 ゲームに入ると、受講者は、童心に返るなど、「Yes」「No」カードを片手に素直に意見を表明する人、金座布団を狙って少数意見を表明する人などグループ毎に様々なやり取りが見られました。
 また、このゲームにより、受講者間のコミニケーションも深まりました。


「避難所運営ワークショップ」
「避難所運営ワークショップ」
 午後からは、(財)市民防災研究所 細川 顕司様による避難所運営ワークショップを行いました。
大地震時の避難所運営について、12のグループに分かれ、課題を提示し、課題に対し、グループ内で議論し、グループの代表から発表が行われました。





【修了式】
 修了式では、(財)日本防火協会の水村 昇課長補佐から修了証と記念品が手渡され、2日間の研修を終えました。
 終了後のアンケート調査結果では、

  • 全ての講座において役にたった。今後の地域活動に役立てたい。
  • 災害の様子を映像で見る。実際に被災した生の声を聞き、実感した。
  • 自宅が災害危険地区になっていることから参加したが、自助、共助の大事さを痛感した。地域でも研修会のコマーシャルをしたり、自主防災組織作りに役立ちたい。
  • 自主防災に対し、無関心であったが、被災の現状等聞いて自主防災の重要性を感じた。今後自治会活動の中で話し合いたい。

 など、参加者の大半から趣旨に賛同の意見が出るなど、受講者の動機付けの一助となる研修となりました。今後、参加された方々がこの研修で学ばれたことを各地域の自主防災活動に活かしていただくとともに、自主防災組織の組織づくりに寄与されるなど、研修の目的が達成されることを期待しています。

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