福岡県では、「平成20年度自主防災組織リーダー研修会」を、篠栗町の「福岡県立社会教育総合センター」で、平成20年11月19日(水)から20日(木)の2日間(1泊2日)開催しました。
この研修会は、地域における自主防災組織の活性化や組織づくりを積極的に推進する人材の育成を目的に、財団法人日本防火協会と福岡県の共催で開催したもので、県内各地から86名が参加しました。
はじめに、福岡県消防防災課の平島研二課長が主催者挨拶を行い、2日間の研修が始まりました。
豪雨水害について説明する橋本准教授 1日目の午前中は、九州大学大学院の橋本晴行准教授から「最近の豪雨災害と福岡県の状況について」と題し、県内で発生した豪雨災害の特徴やメカニズム等について講演いただき、特に平成15年7月19日の博多駅周辺の大水害の例を挙げ、リアルタイムに情報収集を行うことや空振り覚悟で早めの避難を行うことについて、アドバイスをいただきました。
午後の「自主防災組織の活動事例紹介」では、温泉地である筑紫野市湯町の防災委員会の築地吉男会長からは湯町防災委員会の組織構成や役割分担、防災訓練の内容や防災マップ作成などの取り組み状況について、詳しく説明いただきました。また、宗像市南郷地区コミュニティ運営協議会の三井功会長から組織を立ち上げるまでに出てきた問題点や課題、現在の取り組みや今後の活動計画・目標について説明いただきました。
両講師の講義は、これから自主防災組織を立ち上げようとする自治会役員や自主防災組織役員が共感できる内容であり、参加者も熱心にメモを取っていました。
三角巾を使用して応急手当講習 その後、日本防災士会福岡県支部の今村事務局長により、防災士制度の概要及び県内の防災士の活動について説明いただき、1日目の最後には、日本赤十字社福岡県支部の指導員3名により、三角巾による応急手当について指導を行っていただきました。参加者からは、特に応急手当については大変参考になったという意見が多くありました。
2日目の午前中は山口大学の瀧本浩一准教授により災害図上訓練を実施しました。訓練開始前に、「防災」「災害」等キーワードの解説や、図上訓練を実施する目的や効果等について説明をいただきました。参加者も地域の防災上の課題やコミュニケーションなどの重要性を理解し、また、今後の活動につながることから、非常に活気のある図上訓練となりました。
災害図上訓練 午後も、引き続き瀧本先生にご協力いただき、「災害に強いコミュニティづくり」と題して、まちづくりと連携した防災活動によるコミュニティづくりについて講演をいただきました。自主防犯活動などと連携した活動によって、地域でのコミュニティの再構築を行うという手法を今後の防災活動にも役立てたいとの意見がありました。
閉講式では、財団法人日本防火協会の冨田静夫課長より、修了証と記念品が手渡され、2日間の研修を終えました。
この研修は、宿泊で行われており、講習以外の時間においても、参加者同士の意見交換等が活発に行われていました。
今後、参加された方々がこの研修で学んだことを、各地域の自主防災活動に活かしていただき、本県の地域防災力の向上が図られることを期待しています。
最後に参加者のアンケート結果を見ると、この研修会は非常に好評であり、再度、受講したいとの意見が多いことから、来年度も引き続き地域の防災リーダーを育成する研修に取り組んでいきたいと考えています。