地域における自主防災組織の活性化や組織づくりを積極的に推進する人材の育成を目的に、(財)日本防火協会と福岡県との共催で「平成21年度福岡県自主防災組織リーダー研修会」を以下のとおり開催しました。
【日程】平成21年10月26日(月)から27日(火)の2日間(1泊2日)
【会場】福岡県立社会教育総合センター(篠栗町)
今年は、新型インフルエンザの影響が懸念されましたが、県内各地から66名の方に参加いただきました。
熱い議論が行われたグループ討議『気象に関する講演』
福岡管区気象台技術部予報課の福永防災係長から「防災気象情報の利用-平成21年7月豪雨時に気象台は何を発信したか-」と題するテーマで講演いただき、深刻な被害をもたらした豪雨災害の特徴やメカニズム等について振り返りながら、リアルタイムで収集した情報をいかに活かすか、その端的なポイント提示が行われました。
講演後の質疑応答では、時間を超過するほどの盛況ぶりとなりました。
『グループ討議』
グループ討議では、当研修会を通底するテーマである「リスク・コミュニケーション」の基礎編として、あらかじめ設定された自主防災組織に関する課題研究を通じ、災害に対する主体的、能動的な関与(判断)の涵養を行いました。
コミュニケーションが主なねらいであったため、いったん高まった議論がなかなか収束せず、参加者アンケートの結果では、回答者の約3割が時間不足を感想として挙げることとなりました。
三角巾を自在に使った応急手当法『応急手当講習』
初日を締めくくる講座として実施された応急手当講習では、日本赤十字社福岡県支部の指導員3名による懇切丁寧な指導のもと、三角巾を自在に使った応急手当法についてご指導いただきました。
多くの参加者からは、何の変哲もない布がここまで様変わりし、活用できることに大変驚き、また参考になったという意見が出ていました。
熱の入った災害図上訓練『災害図上訓練及び講演』
2日目は山口大学の瀧本浩一准教授による災害図上訓練及び講演を実施しました。
訓練開始前に、まず、図上訓練を実施する目的や効果等の説明や「防災」、「減災」等キーワード解説をしていただきました。図上訓練を単なる「防災ショー」と見なす先入観を一切捨て去り、絶えず「机上による検討」と「現場での検証」が往復し続けなければ意味をなさないとの説明で、参加者もこれですっかり目の色が変わり、終始、熱気に満ちた講座となりました。
また、図上訓練の合間に模造紙を使った演習・発表も取り入れられ、絶えず発想の転換と新たな理論の注入が行われ続けました。
午後も、引き続き瀧本先生から「持続可能な防災コミュニティづくり」と題して、日々の町内会行事が工夫次第で立派な防災活動に転用できるヒント等多彩な話題で講演をいただきました。
草刈りや花見といったごくありふれた町内会活動がいかに防災と結びつく可能性を秘めているか、具体的な事例をふんだんに交えながら、既存資源を用いた地域防災の再構築について、様々な提言がなされていました。
参加者からのアンケート結果では、回答者のほぼ半数が最も印象に残った講座に挙げるなど相当の反響だったことが窺い知れます。
『修了式ほか』
修了式では、(財)日本防火協会の佐藤幸男課長より修了証と記念品が手渡され、2日間の研修を終えました。
この研修は、宿泊で行われており、講習以外の時間においても、参加者同士の意見交換等が活発に行われていました。
長崎県・松本会長による活動発表
首里城公園を視察