消防庁防災課
地域の安⼼・安全のためには、⼩さな頃から防災意識を⾝につけることが重要です。少年消防クラ
ブは、⼦どもの頃から⽕災予防や防災に関する知識を⾝につけ、各家庭や学校における⽕災の減少を
図ることなどを目的として、少年少⼥が参加しているクラブです。
クラブ員である少年少⼥たちは、防⽕・防災や消防に関する知識の習得や、初期消⽕などの実践的
な訓練、研究発表会、地域の防災イベントや啓発活動への参加、防災キャンプなどのイベントに参加
することで、命や暮らしを守ることの⼤切さを学ぶとともに、防⽕思想の普及に努めています。平成
21年5⽉1⽇現在、⽇本全国で5,095クラブ、約43万⼈のクラブ員たちが活発に活動してい
ます。
少年消防クラブの活動内容はクラブによって異なりますが、例えば以下のような活動が⾏われてい
ます。
講習会・防災訓練等への参加
防災講習会や防災訓練などに参加し、地震などの⾃然災害が発⽣する仕組みを学習したり、消⽕器
などを使った初期消⽕の⽅法、ロープワーク、三角⼱を使⽤した応急⼿当の⽅法などを体験学習して
います。
研究発表、ポスター作成
防⽕・防災に関する研究発表会を⾏い、その成果をまとめたレポートや防⽕ポスター、防⽕新聞等
を校内に展⽰したり、各家庭に配布するなどして、⽕災予防や防⽕思想の普及に努めています。
防災まち歩き、防災マップ作り
クラブ員たちが⾃分たちのまちを実際に歩き、消⽕栓の場所や災害時の危険箇所などについて把握
し、防災マップを作成することなどを通して、⾃分たちのまちに対する理解を深めています。
防⽕広報の実施
消防職員・消防団員とともに、地域の住⺠の⽅々に⽕災予防を呼びかけるため、⽕災予防運動実施
期間や年末を中⼼に防⽕パトロールや防⽕パレードなどの防⽕広報活動を⾏っています。
防災キャンプ
夏休みなどを利⽤して、⼩学校の体育館や運動場、キャンプ場などに寝泊まりし、炊き出し、キャ
ンプファイアなど普段できない活動を通して、仲間との連帯感を⾼めています。
少年消防クラブはこれまで、10歳から15歳までの少年少⼥を中⼼として編成されていました
が、少年消防クラブ活動で防⽕・防災を学んだクラブ員たちが、中学校卒業後も引き続き地域防災に
貢献することが期待されていることを踏まえ、消防庁では、少年消防クラブの対象年齢を18歳まで
拡⼤することなどを通して、こうした環境づくりを進めることとしています。
このような中、平成21年7⽉にチェコ共和国で開催された「ヨーロッパ⻘少年消防オリンピッ
ク」に、⽇本から初めて4少年消防クラブの中学⽣・⾼校⽣20名が⽇本代表として特別参加し、
ホース延⻑やロープ結索などが取り⼊れられた消防障害物競技などの種目に挑戦するとともに、ヨー
ロッパ地域22か国の選⼿たちと国際交流を深めました。
少年消防クラブでの活動を通して⽕災予防や防災に関する知識や技術、強い防災意識を⾝につけた
クラブ員たちが、将来、地域防災の担い⼿として社会に⼤きく貢献することが期待されています。
放⽔訓練をする少年消防クラブ員
(写真提供︓札幌市消防局)
ヨーロッパ⻘少年消防オリンピックの様⼦
(⼿押しポンプによる放⽔)
総務省消防庁「消防の動き」2⽉号より